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赤川呉服店/UGO

 ひこさ頭巾とあでやかな端縫いや藍染め衣装をまとった踊り手の、優雅で流れるような踊りが夏の夜に舞う羽後町・西馬音内盆踊り。およそ700年前に始まったと言われる踊りは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。その羽後町で呉服店を営む赤川貢一郎さん。手絞りの藍染め衣装を作る現在では数少ない職人の一人だ。同じく赤川呉服店で働く店員の吉村さんも藍染め職人の一人で、県展で特賞を受賞したこともある実力派。西馬音内の藍染め衣装は、夜に溶けこむような深い藍の色に、美しいぼかしの入った模様が白く映える。西馬音内盆踊りでも踊り子たちが身にまとい、幻想的な世界の一翼を担っている。

職人の技が光る 絞りの技法

 何種類もある絞りの技術。糸でしばり染液を通さないようビニールで包むなど、ひとつひとつを手作業で布に柄を施していくその仕事は、気の遠くなるような作業の繰り返し。くるくると糸を器用に操り布をしばっていく指先には、職人の技が光る。手作業だからこそ模様の出方も全く同じものは一つとしてなく、ひとつひとつの模様にそれぞれの表情がある。「どんな模様になるのか染めてみないと分からないし手間がかかるけれど、だからこそおもしろいです」と語る赤川さん。藍染めの工程を説明してくれる言葉の端々に“楽しい”“おもしろい”という言葉が使われ、藍染めの魅力のとりこになっている様子だ。

 大きな桶に入っている藍染めの染液(写真①)。染液自体のもともとの色は藍色ではなく明るい緑色をしており、染めた直後は緑色の状態(写真②)。染液は高アルカリ性の液体で、それに浸けた布が空気や水に触れることにより酸化され藍色に変わる(写真③④)。

盆踊り 染め物文化とともに

 祖父がもともと染め物屋さんで町内では西馬音内盆踊りがあり、染め物文化を身近に感じながら生活をしてきた。「染め物が身近だったからこそ既製の浴衣や着物に物足りなさを感じ、自分でできないだろうかと思い立ちました。絞りの模様などオリジナルの新しいものを考えることが楽しいです。江戸時代から多くの技法でたくさんの図柄が生み出されてきているので今新しい図柄を生み出すのはとても難しいですが、新しい発見を探しながら毎日を過ごしています。今はオレンジや緑の差し色を入れてみたりしていますがなかなかいい感じですね」と赤川さん。店員の吉村さんは今年の県展に向けて鋭意作成中とのこと。どのような藍染めが生まれるのか、今後の活躍に期待がかかる。赤川呉服店では藍染めの浴衣を展示・販売中。店舗開店中にいつでも見ることができ、藍染めの「手ぬぐい(3,000円〜)」「バンダナ(3,500円〜)「風呂敷(6,000円〜)」なども販売している。

 作り手の技と思いがにじみ出る藍染め。盆踊りの町西馬音内にお越しの際は、ぜひ一度手にとってその風合いをご覧になってみてはいかがだろうか。

赤川呉服店(株)
住所/秋田県雄勝郡羽後町西馬音内字本町44
電話番号/0183-62-2107
MAIL/hanui@viola.ocn.ne.jp
営業時間/9:00~18:30
定休日/4日・14日・24日

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